俗なことは嫌いと俗っぽく言ってみる
思っていることを活字にすることでなにかが変わるんじゃないかと期待を込めて書いてみたり時にただの愚痴だったりするブログ。
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いろいろ本。(120211)
随分ご無沙汰ですね~インプットに忙しくてアウトプットする気分でぜんぜんなかったのです。

でもちょっと、最近読んで紹介&自分でもメモしておきたい本について、書いてみましょうかね。
ざっと書いてみたら5冊分になりました。


『シュンペーター 企業家精神・新結合・創造的破壊とは何か』根井雅弘、2006、講談社学術文庫
難しい(←私にとって)経済理論のレポートで鬱々としていた時に、息抜きを兼ねて手に取った本。
この著者の、一般向けに書かれた本は、文体もゆったり語りかける感じなので、
ちょっと方の力を抜いてコーヒー飲みながら読みたくなるんです。


ご存知、シュンペーターが生まれ、育ち、学者として活躍したり挫折したり、生活も上手くいったりいかなかったりし、いろんな人に影響を与えたりしながら、生涯を閉じるまでが書かれています。

経済学上の功績と、シュンペーター自身の生活・環境・思想の変化などを俯瞰できるので、
「なんでこの時シュンペーターはこんなこと考えたんだろう?」が、じんわりわかる気がする。

色々勉強になったけど、何より「人間としてのシュンペーター」を身近に感じることができた。

そうか、シュンペーターは政策とかいう「俗なもの」とは決別して、純理論を追い求めたかったんだなぁ…。
なんでそこまで純理論にこだわったんだろう?

神経質、な面はあったんだろうな。自分の一日を、毎日日記で「今日は頑張った」とか「今日はいまいち、あんまり数学の勉強が進まなかった」とか、評価していたとのこと。

余談だけどこの毎日自己評価、私もやってるなぁ。たまにまとめてつける事が多いけど。
自分に花丸をあげられる日のなんと少ないことか。
かの天才経済学者も、こうやって地道に自己規律をして、勉強していたのかと思うと、私もこれでいいのかな、とちょっと勇気出ました。

シュンペーターの著作は、自分の研究的にも色々読みたいなー読まなきゃなーと思っているのですが、なかなか手がまわってないんですよね。。あーもう。

『サムエルソン『経済学』の時代』根井雅弘、2011、中公選書
先生にいただいて読ませていただきました。
第一印象…「サムエルソン、かっこいい!!!」と心の中で叫んだ(笑)
ちょっと前に読んだので、「そ、そこまで興奮しなくても」と以前の自分につっこみをいれたいのですが、、
自分の信念にそって、当時の経済学のいくつかの流れに目配せしつつ、自分なりの「新古典派総合」という考え方を構築していった点がかっこよくて、当時なんだか悶々としていた気持ちに響いたのかな(笑)

(あ、そういえばサムエルソンは、前に紹介したシュンペーターの弟子ですね。)

ただこの本は、題名からわかる通り、サムエルソンの名著であり長年経済学のスタンダートな教科書であった(今はそれほどでないにせよ、まだスタンダートなのかな?)『経済学』が、出版された時代、
についてなので、サムエルソンについて書かれているというだけでなく同時代の経済学者の思想、経済学の潮流が、まとまっています。
他の登場人物と言えば例えば、J.ロビンソン、ハイエク、ガルブレイスなどなど。
他にもちょこちょこ、当時発見?されて広まった経済理論の考え方が、コラムにまとまってるので、「あーあの教科書で見たやつはこの流れででてきたのね!」と非常に整理されました。巻末の人物紹介も役立った!

この時代(1930年代:ケインズ経済学が出てきた頃~1960年代くらい?)の歴史をざっと俯瞰できのと同時に、
どのような背景の中でサムエルソンが「新古典派総合」を考え出すに至ったのか、が見えてきます。

新古典派経済学(基本、市場原理)と、ケインズ経済学(政府のコントロールを認める)の両方、それに種々の異端の考えにも目配せをする中庸の姿勢が強調されているのは、筆者の捉え方に基づく部分が大きいのかもしれないけど、
サムエルソン『経済学』から抜粋されている文章を読む限り、サムエルソンがいかに広い視野を持っていて、全てを自分なりの表現で熱心に学生に伝えようとしていたのかが、分かります。

私自身は恥ずかしながら、サムエルソン『経済学』は、ちらりとしか見た事ないんですが…。(だって分厚くて読み切れない自信があったし、図書館から持ち帰るの難儀だったんだもん!
でも、スティグリッツの『入門経済学』と、『マクロ経済学』も確か、読んだなぁ。学部の時にゼミの先輩が読んだと聞いて。
日本語の教科書より、言葉がやさしくて例も豊富で、とっても驚いた記憶があります。アメリカの教科書はみんなあんな感じなのかな。つまり、実例や例え話を豊富に取り混ぜつつ、著者の立場や意見を大いに反映させつつ語ってくれる感じ。
言葉がやさしかったのは翻訳だったせいだろうけど、小難しく日本語使われるよりその方がいいやぁ、と思いましたね。

きっと日本語の教科書もよいもの沢山あるんだろうけど、私が今までにみた印象では、やたら小難しく書かれているか、公務員試験テキスト的にガチガチに固いか、あるいは分かりやすくしようとしているのはわかるけど幼すぎて「本当にあっているの?」と頼りなく感じてしまうか。

あ、あと、「市場原理主義」って一時期(今も?)流行ったけど、結局古典派への回帰じゃないか、という指摘には、歴史の皮肉を感じました。
次は『市場主義のたそがれ~新自由主義の光と影』2009、中公新書 を読もうかな。


『NPOという生き方』島田恒、2005、PHP新書
地元図書館においてあって、息抜きになにげなく手に取った本。
ネーミング的に、「NPOに関わって生きるって素晴らしいぜ!君もエンジョイしてみないかい!?」といった本かなぁうへぇ、って思いましたが、違いました。
以外に(?)、まじめな内容で、驚きました(失礼!)

うわべで、NPOを説明するんじゃなくて、NPOでの活動が人びとの生に与える活力、NPO的活動が生まれてきた歴史的背景、「社会的な起業家精神」についての歴史的説明といった、直接関連する事項も簡潔にまとめてあるだけでなく、
NPO出現の背景として、見えにくいけど決定的に重要な「豊かさの再構築」やら「コミュニティの変化」云々まで、幅広く・簡潔にまとまっていました。
でも事例もたくさん紹介されており、小難しすぎない。
これから、NPOをちょっと広い視野で捉えようとしている人にとっては、格好の入門書となるのではないかな。この本を元に、関心のある事項の参考文献を探して、追ってゆけばいい。

若干、NPO論がアメリカ流の方に偏ってはいるけど、入門としては十分じゃないかな。
って偉そうに言ってるけど、参考になりました。全体像が見えました。


『市民社会政策論』田中弥生、2011、明石書店
これも第一印象…手に取った瞬間、「あざっっっす!!!!」と心の中で叫んだ(笑)
つまり、今までごちゃごちゃしててわかりにくかった、けどアカデミックな論文には出てこない内容、がまとまっていた感じ。

例えば「新しい公共」関係、鳩山民主党政権以前の自民党時代のNPO政策~管さんの時代を含め、NPO関係の政策もきちんと整理されている。
他に社会的企業に関する、国内外の議論も、まんべんなく。

んで、何より、「自主財源獲得の重要性が叫ばれてるけど、ほんとにそれが効果的なんかい!?」みたいな、
雰囲気でなんとなくなされているNPO関係の議論を、きちんと指摘して、日本のNPOセクターが進むべきと筆者が考える一筋の道を、しっかり示されている。
しかも実証データにもとづいて。
実証データ、嫌いな人もいるのかな?確かに実証で見える事・見えない事、逆に実証で覆い隠していることもあるかもしれないけど、
まぁたまにはこういうのもいいじゃないか!

…と言いつつ、ざっくりとしか読んでいないのですが、しっかり読んだらもっともっと貴重な情報が得られる気がします。また気になる事があったらこの本に戻ってこよう。

なおこの著者が薦めているような「エクセレントNPO」の議論、私はかなり応援してます。
批判する人も多いらしいですね。私は逆に、驚きましたが。
批判する人はどういった点で批判してるんでしょ?私の聞いた限り、
「こんな基準すべてのNPOには適用できないよ!」とか「ネーミングが変!」とかといった批判なんですが。

でもエクセレントNPOの基準は、全てのNPOが受け入れる「基準」でも、これによって優秀なNPOを選ぼう!といった趣旨のものではないはず。
ただ、NPOの玉石混合がすごく進んでしまって、NPOセクターが他セクターとの関わりの中で、大枠としてどのような役割を担ってゆけばよいのか、
またそのような役割を担う為に個々のNPOはどんなことに気をつければいいのか…といった事が、指針として示されているいすぎないのではないでしょうか。

例えば、小学校の教室に「みんな仲良く!」という標語があって、別にみんな普段意識しないし必ずしも仲良くやってる訳ではないけど、
ふとした時に振り返って、「うーんやぱり仲良くやっていた方がいいよね~できるだけそうしよう!」と思えるようなもの、といった感じ?(…違うかも。よくわかんないけど。)

実際、この「エクセレントNPO」の言っている事は、セクターとして日本にNPOを根づかせる為に、かなり重要な事だらけだと思います。


本書には、随所に「エクセレントNPO」の事が出てきますが、毛嫌いしないで先ずは読んでみてちょ。



『NPO再構築への道』原田晃樹、藤井敦史、松井真理子、2010、勁草書房…この本、出版直後に手に取り→挫折し、昨年5月に著者の1人となっている先生直々に薦められてちょっと読むも→挫折し、昨年12月頃にやっと読んだ本(笑)

昨年年末に改めて気合を入れて読んで、ようやくこの本の価値が分かりました。
すっごいよい本。おすすめ。

日本におけるNPO・社会的企業に関する言説が、いかにふわふわしたものであるかを感じる。

例えば、NPOと行政の協働と盛んに言われていますが、実は「NPOと行政職員との協働」になっていないか、考えたことはありますか?
他に、よく「市場の失敗・政府の失敗をうけてNPOが必要になった」と言われますが、「そもそも社会はNPOをはじめボランタリーな力によって動いていて、それを補完するために市場や政府がある」と、逆転の発想をしたことはありますか?

NPOについて、なんとなくわかった気になっている人ほど、じっくり読んでほしい本。
個人的には、今後「NPO」について考えてゆくのではなく、NPOを含めた「ガバナンス全体」について考えてゆきたいとの気持ちを再確認できた。

ただ確かに、従来の議論の整理と先行研究の紹介に紙面を割いている部分もあり、若干読みにくい部分もあるかも。
(前に挫折した時は、このへんで挫折した。あまりに前提知識(特に、アメリカ流でなくて欧州流のNPO・社会的企業に関する理解)がなさすぎたり、それゆえにこの本の持つ価値をいまいち感じれなかったから、読みこなせていなかったなぁ。)

実際、著者の方々も述べている通り、この本は著者らの研究の「途中結果報告」
(とはいえ、今までになかった魅力でいっぱいなんですけどね。)

またこの本の続編が出るそうです。楽しみ!
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