俗なことは嫌いと俗っぽく言ってみる
思っていることを活字にすることでなにかが変わるんじゃないかと期待を込めて書いてみたり時にただの愚痴だったりするブログ。
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生活保護(120525)
お笑い芸人、次長課長の河本さんの母親が生活保護を受けていた件から、


「どの範囲までの親族が、どこまで面倒をみないといけないのか?」が問題になっている。


現在の生活保護制度は、まず保護を申請したら、3等親まで(原則?)の親族に、「あなたの親族で生活保護申請をしている人がいるのだけれど、あなたが生活を支えることはできませんか?」といったお知らせがゆくことになっている。

これで、親族の誰も生活を支えられないということになれば、保護が開始されるということになっている。
(実際は、行政の水際作戦や情報不足で本当に困っている人が受けられないとか、逆に暴力団の人が半ば行政を脅して受給してしまうとか、色々あるらしい。)


今回の騒動を受けて、学習院大学の鈴木亘さんがテレビでコメントしていた。
「現在の生活保護は、相互扶助を前提としたシステム。そろそろ見直す時期。」


このコメントの詳細は忘れてしまったのだけれど、私なりに解釈すると、

「親の面倒は子が見て当然」(その逆もしかり)という考え方は古くなりつつあって、人々が「個人」として生きるようになっている。

これは、「家」や「共同体」といったつながりが薄くなってきていると言われている事からも考えられる。
これは悪いことばかりじゃない。「個を大事に!」「私らしく生きよう!」といったスローガンに見られるように、むしろ「個」として自立して生きることこそが立派であり幸せ(勝ち組?)であると、一般に描かれている気がする。


欧米を見ていると、人間を「家」単位で見るのは前近代で、自立した「個」として見る方が近代国家的、と考えるのが一般的。

(もちろん、家単位、共同体単位で生きてゆく文化もアリだとは思う。ただ欧米追従の日本のアカデミズムの考え方に従えば、「個の自立=近代」という定式。)

(一方で、バングラディッシュのグラミン銀行などマイクロファイナンスの工夫に見られるように、貧しい人にお金を貸し出す際に何名かのグループを作って連帯責任とすることで、きちんと支え合って返済するようになる…という例もあり、
相変わらず人と人とのつながりは人間の行動を規定する重要な要因ではあると思う。ただ、そのつながりの形は変わってきていて、「親族だから助けるでしょ」と当たり前のように想定することは、難しくなってきていると思う。)


※近代国家とは?
※イギリス等、他国の生活保護制度は?・・・もらっても、きちんと復活できるチャンスがあるとかだった気がする。実際のところはどうなのか。



誰がどう支えるか。人の生き死にと同時に、「怠けじゃないか」といった他人への疑心暗鬼も絡む、非常にシリアスな問題。

しかし、親族が生活保護申請者の生活を「支えられない」とする理由を、もっと厳しく探ってゆこうという流れになっているのは、怖すぎる。


確かに、追求したくなる気持ちもわかる。ギリギリのところで頑張っておられる方も多数いると思う。
また現実的に、受給者が増えて自治体の財政を圧迫している事実も、あると思う。

でも、いかに親族といえども、私は私、別生計なら生計ごとに考えるべき、と私は思ってしまう。(私の世代特有、もしくは私だけの感覚なのかな??)
それに、複雑な関係も存在するのがこのご時世。何らかの軋轢があったり、下手したら暴力する/されるとか危険な状況もあるかもしれないし…。


というか現実的に考えて、今さら、親族関係の相互扶助に基盤を置いた生活保護システムに戻る(再強化する)なんて、無理だと思っている。
今さら申請者の親族の家計調査の強化を通して、従来の生活保護システムを繰り返したところで、それが本当に機能するか?
とりわけ、「本当に困っている人を救う」という本来の目的に照らした時、有効に機能するのだろうか?


想像してみればいい。あなたの手元に突然手紙が来て、「親族の○○さんが生保受給を申請しましたが、面倒みてあげられませんかねぇ?」と言われて、どれだけの人が本当に協力する/できるだろう?

意識上も「親族」なんだし「支えなきゃ!」という感覚は薄れているだろうし、物理的に必ずしも親族が近くに住んでおらず同居等の方法も取れないこともあろうし、
また何より、今は「大丈夫」な人も明日はどうなるのかわからない…という状況も、あるだろう。


むしろ、もっと「個」に焦点を当て、生活保護はある程度簡単に受給できても、その後きちんと自立できるように様々な支援やプログラムを充実させてゆく方が、建設的ではないか?


*****
ところで、前も同じようなこと書いたかもしれないけど、

社会的制裁が、強すぎると感じてしまう。これは性善説なのかもしれないが、それにしても冷静な検証が足りないまま、イメージだけで叩いている感は、ぬぐえない。


今回の社会的制裁は、社会全体の閉塞感へのうっぷん晴らしという感じもする。
そんなに人を叩いて、どうするのだろう?そこから何が見出せるのだろう。それでは社会の閉塞感はますます強まるばかり。

もっと建設的に、困っている人を支援できる道を模索する方向に、そして冷静に現実を見極める為に事実を検証したりという方向に、頭を働かせることはできないのか?


現在、生活保護受給者の増加は問題となっている。
しかし、生活保護を受給しつつ自立したいと願う人の存在、そしてその困難性について、どれだけの人が知っているのだろうか。

生活保護受給者の数を、生活保護から脱出しようとする人の支援抜きに、そもそもの申請者を排除しようという方向にぶれるのは、
簡単かもしれないが、それでいいのか。


経済学っぽく考えてみると、
人が「怠ける」「甘える」という行動と、「自分らしく頑張ってみる」という行動について、
それぞれの行動がいかなる条件下で、どの程度発生するのか、きちんと検証されているのだろうか?
(※最近ではこういった人々の行動を組み入れた経済学も発展している。)


更に、少し広い視野で長期的に考えれば、
生活保護を受給しないといけない人やそれを支えられない家族を叩き、彼ら・彼女らを社会で居心地悪く萎縮させてしまうよりも、

個々の自立を支援して1人でも生き生き過ごせるようにする社会の方が、
日本全体の経済も豊かになるのではないか?

ただの「消費者」「保護受給者」だった一人一人が、何らかの生産活動に参加すれば、また新たな売買が発生する。
「多様な消費者・生産者」が増えれば増えるほど、経済は豊かになると、いつだったか浜矩子さんも指摘していた。


※浜さんのこの主張について、実証された研究はないのかな?
※生活保護で得たお金と、自分で稼いだ金の、消費性向の違いなんかも、わかったら参考になりそう。
※不正受給で生保をもらいながら派手に暮らしている人が増えれば経済効果あるじゃん!とも言われそうだが、それは経済全体の豊かな循環に寄与するのだろうか?
※少しでも個々人に社会的役割がある社会と、一人当たり所得は高くてもそれが行政的分配によってなされている社会を比較したら、個々人の生活への満足度に違いがでてくるのではないか?



私は私の経験からでしかものを考えられない。不正受給の問題や「今」逼迫している財政の問題には、少々疎い。

なので私と違う経験・認識を持っている人がいたら教えてほしいとは思いつつも、
私はたまたま、生活保護をもらいながらも頑張って自立したいと思う人や、もしくは自立したいとは思いつつもそれが困難な状況において、無力感・あきらめの中で、日々をけだるく生きている人たちが、周りに多く存在した。
そんな彼ら・彼女らが再び「生きられる」ように、必死に支援している人たちもいた。

その中で、適切なサポートがあれば元気に生き生きと自立し始める人もいる、と思うに至っている。

そこで私の思考は、「どうすれば生活保護受給者の自立を促すことができるのか」にゆく。

私は、それを担うのは行政ではなく社会的企業など民間の手(つまり、画一されたサービスではなく、もっとフェイス・トゥ・フェイスで柔軟に対応できる、小規模組織がベスト)だと思っている。
なので、この点から研究してゆくつもり。



とにかく、こうやって取沙汰されて制度がコロコロ変わったりきちんとした検証もないまま制度が突然厳格化されることで、一番被害を受けるのは「本当に困っている人たち」。


この点は、十二分に想像力を働かせておかねばならない。


そして、なんやかやと議論をしているうちに忘れてしまうのが、「そもそも生活保護ってなんのための制度?」「その制度を用いて、我々はどんな社会を目指しているの?」という視点。

これも忘れないようにしたい。




(あ、「※」は、私の後で調べるメモです笑)
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お笑い芸人、次長課長の河本さんの母親が生活保護を受けていた件から、「どの範囲までの親族が、どこまで面倒をみないといけないのか?」が問題になっている。現在の生活保護制度は、まず保護を申請したら、3等親まで(原則?)の親族に、「あなたの親族で生活保護申請を?...  [続きを読む]
まとめwoネタ速neo 2012/05/26/Sat 05:07




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